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【bizマーケティング小冊子プレゼントvol.64】人を伸ばす 丁稚奉公・徒弟制度が活きる!

 少し前にホリエモンこと、IT経営者、マルチタレントの堀江貴文さんが、ツイ
ッターで「寿司職人になるのに何年もかかるというが、イケてる寿司屋はそんな
悠長な修行はしねーよ。センスのほうが大事」と和食や職人の世界で何年、何十
年修行する徒弟制度を否定するような話を披露して話題を呼びました。



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 確かにAI=人工知能やAR=仮想現実技術、ロボティックスにIotといった時代に
丁稚や徒弟制度というと、時代遅れどころか、時代錯誤と言われかねない雰囲気も
あります。しかし今の時代こそ必要だという経営者もいます。

 神奈川にある木工会社、秋山木工では現代には珍しいほどの厳しい丁稚奉公制度
をとる会社として知られています。

 入社後4年間は丁稚として修行を積みます。寮生活で起床は5時前で、毎朝マラ
ソンと掃除をして、仕事が終わっても自分の勉強や訓練があるので、平均睡眠時間
は3~4時間。携帯電話も恋愛も禁止。給料もほとんどが寮費と道具代に消えてい
く。さらに驚きなのは丁稚時代は男女問わず頭を坊主に剃り上げないといけないのです。

 丁稚時代では社長の秋山さんの言うことは絶対で、言ったことは必ず実行しなけ
ればいけません。しかも丁稚を卒業し、職人と認められてからも4年間は奉公とい
う形で秋山木工に仕えることが求められます。まるで修行僧のような厳しい丁稚奉
公制度にあっても、秋山木工は全国から入社希望者が絶えないと言います。丁稚期
間中もほとんどが残り、一人前に独立していくといいます。

 なぜ現代のようなIT全盛時代に秋山木工では、このような厳しい丁稚制度を採用
しているのでしょうか…。

 丁稚を取る徒弟制度は江戸時代ころから一般化し、商業や工業、あるいは落語や
芸事の人財育成制度として確立していましが、その後企業などの経済環境の変化や、
専門職の教育機関が誕生、外部研修期間の充実、終身雇用制の崩壊などによって、
会社で新人を教育する文化は廃れつつあるようです。

 意外なようですが先端の理論を駆使するような経営コンサルティング会社や大学
などの研究機関でもこうした徒弟制度は生きています。

 厳しい徒弟制度に現代の若者は何を求めているのでしょうか。また会社は徒弟制度
でどんな人財を育てようとしているのでしょうか。厳しい丁稚、徒弟制度による人財
の育て方をみていきます。